★☆★NEWS★☆★2017年ボイドタイム表[新月/満月つき]をUPしました!

2008年07月03日

植島啓司『偶然のチカラ』

宗教人類学者で、ギャンブラーとしても有名な植島啓司氏の著作『偶然のチカラ』(集英社新書)を紹介します。この本のテーマは「運や偶然のしくみとはいったいどうなっているのか」。 「いかに幸運をつかむか」と考える前に「しくみ」を知ることが必要だ、というのです。各章のタイトルは「自分の身におこったことはすべて必然と考える」とか「たかが確率、されど確率」とか「すべてはなるようになる」とか・・・。まさに宗教とギャンブルが交叉するテーマで著者にふさわしい主題! 帯には精神科医の名越康文氏が「あまりに名著。遺書かと心配になった」とのコメントが。
 

本文から、とくに気になったところをお目にかけましょう。


「・・・不幸が訪れるケースにはいくつかの法則性が見てとれる。たとえば大きな幸運を願う人はそれだけ大きな犠牲をも顧慮しておかねばならないだろう。幸運ばかり願う心にこそ災いは忍び込むものである」。「最低限、自分がどういう状態にあるのかを常に理解しておく必要はあるだろう」。

合理的な対処で解決できない場合には、一見非合理的な方法が顧慮に値する。
「この世の中は見えない網の目によってがんじがらめに構成されている。われわれにわかっているのはそのほんの一部分でしかない。いまや、網の目のようにはりめぐらされている「理」(ことわり)のいくつかを目に示すかたちで示すことが必要なのである」。

「・・・たとえば偶然の諸法則は、むしろ因果律と類を異にするものではなく、おびただしい数の原因が入り組んだ結果だとも考えられる。つまり、偶然の出来事とは、因果的に決定された多くの系列が交叉した結果だというのである。すなわり、偶然とは見えない因果律の重なりあいのひとつだというのである」。

「悪いことの連鎖を断ち切るためには、まずは一番つながりの弱いところから攻めていくことが肝心だ。手をつけさえすればすぐに解決がつくこともたくさんあるはず」。「それから、自分のまわりに起こるいいことを見えやすいようにすることである」。

「ルーレットでは、三七個の数字が満遍なく出るのではなく、出る数字は出るが、出ない数字は出ない」。「これは人生でもまったく同じことがいえて、起こりうることは続いて起こるが、起こりえないことは決して起こらないのである」。



もちろん占いについても非常に肯定的に書かれています。
占星術はまさしく「網の目のようにはりめぐらされている「理」(ことわり)のいくつかを目に示すかたちで示す」ための技術ですね。
最近はバッシングの多い江原啓之センセイや細木和子センセイについてのコメントも。
ご興味のある方は、本文で読んでみてください。

ueshima_1.jpg
著者

『偶然のチカラ』
植島啓司著
集英社新書 714円
[※タイトルをクリックすると商品紹介画面にとびます]




タグ:運命
posted by JEEPSTAR at 15:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | *Books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月22日

グラシアン『賢人の知恵』

昨年、17世紀スペインの修道士・哲学者のバルタザール・グラシアンの著作『賢人の知恵』(ディスカヴァー)が出て、自己啓発書としてベストセラーになりました。
全体的には処世訓が中心で、理想を大事にするよりも、現実世界の中でどう利巧にふるまうか、という点に重点がおかれていて、いかに自分を"良く見せるか"みたいなこともいろいろと書かれており、自己啓発書として売れているのもよくわかります。だけど哲学者・ニーチェや文豪・森鴎外が絶賛した、というのですから、そのへんの自己啓発書とは格がちがいます。

ここでは「運」についての知恵をピックアップしてみましょう。


「自分の運勢を知り、幸運は最大限に利用し、不運は断ち切ろう。運を知ることは天気を予想することより重要だ。運には対処のしようもあるが、天気はどうすることもできないのだから。常に用心していれば、運の形勢を自分で変えられるようになる」。

「災いは決して単独ではなく、集団でやってくるものだ。喜びも運不運も同じこと。似たもの同士引かれ合うのだ」。「この世に原因のある不運なら、知恵を絞って立向かおう」。

「運が向かなくなってきたと思ったら、進路変更をしてそれ以上の悪化を防ごう」。

「今うまくいっているのであれば、そろそろ引き際かもしれない。退却すべきときを心得ていることは、攻撃すべきときを心得ているのと同様重要だ」。「幸運はいつまでも留まったりしないものだ」。「だから運があるうちに味わい、最大限に生かそう」。


ディスカヴァー社から斉藤慎子訳で出たこの本が大ヒットして、同じ著作が他社からも他の訳と似たような装丁で出版されましたが、比べてみて斉藤訳の方が的確で読みやすい翻訳だと思いました。

グラシアン『賢人の知恵』斉藤慎子訳、ディスカヴァー社

タグ:運命
posted by JEEPSTAR at 21:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | *Books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

『西の魔女が死んだ』梨木香歩

少女と祖母との愛の交流の物語です。
ひそかに売れてきた作品ですが、映画化されて話題に。
この機会に手にとってみました。

不登校になった少女は、心を癒すために
大好きな祖母の家ですごすことになります。
その祖母が日英混血で、古の魔女の血をひいています。
祖母は少女に魔女の生き方を教えます・・・。

魔術や魔女術といっても
「ハリー・ポッター」みたいなものではありません。
派手なファンタジー的なものではなく
キリスト教以前から代々伝わるの古の知恵という
"本当の"魔女術がどんなものか
この作品をつうじて知ることができます。

病や怪我や精神的悩み、生きるうえで直面する
さまざま苦しみにどう対処するか。
薬草の知識は当然のこと、
直観力を研ぎ澄ましていくための秘伝が
ひっそりと明かされています。

もちろん愛の物語として素晴らしい作品です。
それいじょうどうこう考える必要はないかもしれません。



西の魔女が死んだ (新潮文庫)






posted by JEEPSTAR at 03:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | *Books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする