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    2019年09月18日

    [新刊]中山茂『 西洋占星術史 科学と魔術のあいだ』講談社学術文庫

    講談社学術文庫から科学史の専門家中山茂氏による
    西洋占星術の歴史についての本が刊行されました。

    西洋占星術史 科学と魔術のあいだ (講談社学術文庫)
    西洋占星術史 科学と魔術のあいだ (講談社学術文庫)

    1992年に講談者現代新書から刊行された同名書を文庫化したものです。
    解説は鏡リュウジ氏

    目次:
    1 カルデアの知恵
    2 ギリシャ人の科学
    3 ホロスコープの技術
    4 「占星社会」ローマ
    5 ルネサンスの大論争
    6 近代科学からの脱落
    7 現代を生きる占星術
    あとがき
    解 説 鏡リュウジ

    内容(「BOOK」データベースより):
    「○○座生まれのあなたは…」―日常の中で誰もが触れる「星占い」。その起源には、紀元前一〇世紀頃、現在のバグダッド南方に位置するバビロニアで生まれた占星術がある。ギリシャ世界に流入し、プトレマイオスという巨人を通してヨーロッパに広まった占星術は、いかなる道をたどり、発展してきたのか?壮大な歴史絵巻!

    著者・中山 茂:
    1928-2014年。科学史家。東京大学助教授を経て、神奈川大学名誉教授。西洋のみならず日本や中国の科学・科学技術史や大学史など、広範な領域で功績を残す。主な著書に、『天の科学史』、『近世日本の科学思想』、『パラダイムと科学革命の歴史』(以上、講談社学術文庫)ほか。主な訳書に、トーマス・クーン『科学革命の構造』ほか。

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    2018年05月15日

    新刊:『占星術とユング心理学』日本ユング心理学会 編

    日本ユング心理学会の機関紙・ユング心理学研究第10巻は
    『占星術とユング心理学』。

    占星術とユング心理学 (ユング心理学研究 第10巻)
    占星術とユング心理学 (ユング心理学研究 第10巻)


    出版元の情報から・・・

    脱魔術化が進行する時代の「無意識」の行方

    鏡リュウジ氏が占星術とユング心理学の密接なつながりについて語ったシンポジウムの記録を掲載。ユング派分析家を交えての討論では、脱魔術化が進行する現代において無意識やファンタジーが持つ意味について探究を深める。SF小説を題材に今日の意識のあり方を考察する田中康裕氏の「フィリップ・K・ディックと現代の意識」、初めて活字化されたジェイムズ・ヒルマン氏の「心理療法の始まりについて」の2本の講演録も収録。

    目 次

    はじめに  岩宮恵子

    シンポジウム
    ●基調講演「現代の占星術とユング心理学――古代の太陽神の再生をめぐって」  鏡リュウジ
    ユングとの出会い
     意識と無意識/少年期の出会い
    占星術とは何か
     占星術の起源/黄道十二宮/惑星の名前/ホロスコープとは/星の配置とイメージ
    占星術とユング心理学の類似点
     アイスバーグ・モデル/アーキタイプ(元型)/星の世界と意識・無意識/魔術から近代へ/内面化されるスピリット/『アイオーン』と占星術/『ヴィジョン・セミナー』
    太陽神の再生
     “THE RED BOOK”/イズドゥバル/サイキック・リアリティ/質疑応答
    ●討論――基調講演を受けて  指定討論者 川戸圓・田中康裕
    心理療法と占星術
     心理療法と占星術の共通タスク/2つの思考/「狭める」/ユング個人とユング心理学のレベル/「ノンモダン」の世界/モダニティの揺らぎ
    事例を読み解く
     事例1/死ではなく循環/事例2/占星術脳/「狭める」の意味/シンボルとリアライゼーション

    講演録
    ●フィリップ・K・ディックと現代の意識  田中康裕
    ●心理療法の始まりについて  ジェイムズ・ヒルマン

    論 文
    研究論文
    ●南インドの床絵コーラムについての分析心理学的考察  井上靖子
    ●元型的内容を《umschreiben》することの意味について――「輪郭を示す」か「言い換える」か  入江良平
    ●「小栗判官」にみる英雄の墜落と変容――説経節の元型的世界  森文彦

    印象記
    ●日本ユング心理学会第6回大会印象記  山下竜一
    ●日本ユング心理学会第6回大会印象記  森崎志麻

    文献案内
    ●共時性・コンステレーションに関するユング心理学の基礎文献  前川美行
    ●海外文献  豊田園子

    日本ユング心理学会 機関誌投稿規定(2015年9 月30日改訂)


    タグ:ユング
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    2013年05月18日

    S・クロソウスキー・ド・ローラ『錬金術-精神変容の秘術』

    70年代末から刊行されていた
    平凡社イメージの博物誌シリーズ。
    新装版で順次刊行中です。
    5月17日には『錬金術-精神変容の秘術』が発刊。
    シリーズ第6巻。

    シリーズ全体として神秘学をテーマに
    図版と解説からなっています。
    ここでいう「錬金術」とは、もちろん
    化学の祖というようり神秘哲学としての錬金術。
    男性原理と女性原理の高次の融合から「賢者の石」が生じる・・・
    太陽=金、月=銀、金星=銅・・・などなど
    占星学の惑星と物質との対応も解説されています。

    ユングの深層心理学の理論も
    錬金術哲学を基本にしているのはご存知でしょう。

    古典的な錬金術関連の図版をあつめたこの本は
    見て楽しく、入門書としても良いでしょう。
    著者のスタニスラス・クロソウスキ・ド・ローラ氏は
    最期の巨匠と言われる画家バルチュスのご子息です。
    翻訳はドイツ文学者の種村李弘氏。

    身近な男女の営みも男性原理と女性原理の
    融合を目指す哲学的な面があるのではないでしょうか?

    錬金術: 精神変容の秘術 (新版イメージの博物誌)

    今後もW・ケントン『占星術-天と地のドラマ』
    F・キング『魔術-もう一つのヨーロッパ精神史』
    などが順次刊行予定。
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    2013年04月13日

    マギー・ハイド『ユングと占星術』新装版刊行

    ユング心理学を応用する心理占星学の本。
    ただしリズ・グリーンの一連の心理占星学の著作
    『土星の心理占星学』『占星学』が先にあって
    そのグリーンの理論の批判的継承として出てきたもの。
    著者のハイド女史は『マンガ ユング心理学入門』といった
    ユング心理学の入門書も書いている人。
    1999年に青土社から鏡リュウジ氏の訳で出版され(原書は1992年刊)
    最近は品切れになっていましたが
    この春ついに復刊することになりました。

    なんといっても中心的なテーマは
    共時性=シンクロニシティーです。
    一言で言えば心と現実の意味ある偶然のことです。
    心理占星学では星の運行と心の動きとの
    シンクロニシティーを重要視します。
    そこには宿命の決定論とはちがった
    占星術の可能性がひろがっていきます。

    なんといってもこの著作の面白いところは
    シンクロニシティーは
    占星術のクライアントと占星術家との
    間にも起こっているという指摘です。

    また、データの記入ミスや入力ミスによって
    間違えたホロスコープチャートを出してしまった場合に
    往々にして結果的に問題のポイントや解決法が
    強調されたチャートが出てくることがある(!)という話。
    (頑固な占い否定派には所詮デタラメだからだ、と
    恰好の非難の口実になりそうですが・・・)
    このような事象もまたシンクロニシティーの現われと
    いうことになるわけです。

    第一章には春分点の移動による時代の変化について
    ユングの『アイオーン』の記述を引用しながら
    説明してあって、この章だけでも読み応えがあります。
    また第二章ではフロイトとユング、
    そして女性患者との三角関係に近いような
    複雑な関係は彼らのホロスコープチャートから読み解いています。
    占星術的にはフロイトとその弟子だったユングが
    夫婦のような組みあわせであったことに注目。

    この著作にあたる前に
    最低ユングの入門書の一、ニ冊くらいは
    目を通しておくほうが良いでしょう

    → マギー・ハイド『ユングと占星術 新装版』青土社
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    2011年12月20日

    ユング『ヴィジョン・セミナー』日本語版刊行

    ユングの1930年〜34年の5年間のセミナーの
    門外不出とされていた記録の日本版が
    創元社より出版されました。
    C.G.ユング著/C・ダグラス編『ヴィジョン・セミナー』。

    個性化を人為的に促進する技法である
    アクティヴ・イマジネーション=能動的想像。
    精神のバランスを崩す危険があることから
    ユング自身があえて封印したこともある技法です。
    本書は、その実践についての記録です。
    実際に技法を実践した被験者のクリスティアナ・モーガンは
    後にTAT=主題統覚検査の開発者の一人となっています。

    氏原寛、老松克博監訳/角野善宏、川戸圓、宮野素子、山下雅也訳
    美麗セットケース入りA5判上製3分冊(本文2冊+注1冊)
    昨年の『赤の書』につづき貴重な内部資料の公開です。
    高価ですが研究者の方はぜひそろえたいところ。

    ※なおアクティブ・イマジネーション=能動的想像については
    ユング『創造する無意識』平凡社ライブラリーが詳しいです。
    まずはこちらを押さえておくのがいいかもしれません。

    ヴィジョン・セミナー
    C・G・ユング 氏原 寛 老松 克博
    創元社
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    2011年05月23日

    ユングのタイプ論と占星術

    一般に言われる「外向的」「内向的」という
    性格の区別は、ユングが定義したものです。
    占星術をふくむ神秘学全般を研究していたユングですが
    外向・内向の区別は、男性星座と女性星座の二区分に
    ほぼそのまま対応しています。

    ユングの分析心理学のタイプ論による性格分類には
    さらに「思考型」「感情型」「感覚型」「直観型」の
    四つに分類があります。
    これはほぼ古代以来の四性論および
    星座の四エレメントに対応しています。

    思考型:物事を理論的にとらえる→風(多血質/熱×湿)
    感情型:物事を感情でとらえる →水(粘着質/冷×湿)
    感覚型:物事を五感でどとらえる→地(憂鬱質/冷×乾)
    直観型:物事を理念でとらえる →火(胆汁質/熱×乾)

    ユングのタイプ論は神秘学的な区別を
    大きく改変したもので独自の特徴があります。

    まず星座の四区分は二区分の下位の区分ですが
    (男性星座→火・風 女性星座→地・水)
    ユングのタイプ論の場合は、外向・内向の二区分を
    四区分に掛け合わせて、全部で八とおりの性格区分になります。
    たとえば、「内向的思考型」「外向的感情型」というように。

    またユングは四つの型の性質は一人の人の
    心の中で様々なバランスをとって配合されていると考えています。
    ユング理論の基本に、意識的傾向性と無意識的傾向性は
    相反する方向に向うとする説がありますが、
    性格要素がうち表=意識に出ている場合
    それと相反する要素が裏=無意識に隠れているとしています。

    ユングは四つの性質は縦軸と横軸の十字上に
    思考型(風)と感情型(水)を対極関係に
    直観型(火)と感覚型(地)を対極関係に
    それぞれ配置したのでした。

    personality_axises_2.jpg

    直観と思考が意識の水平面上に出ている場合には
    感覚と感情が無意識の水面下に沈んで隠れていることになります。
    この場合は、直観と思考に優れている人が
    感覚や感情面では未熟でそういった面では弱いことを示します。

    占星術の四つのエレメントを理解する上で
    ユングのタイプ論は参考になるでしょう。
    また組み合わせを把握する感覚は
    ある人のホロスコープにおける太陽と月の組み合わせなどを
    考える上でも参考になるでしょう。
    太陽が風の場合には水の性質が
    月が火の場合には地の性質が
    その人における劣等機能と考えると、
    結果的にはだいたい理論的に一致してきます。
    また外向・内向の区別は、ASC(上昇星座)に対応させれば
    全体として対応するでしょう。

    ユング自身によるタイプ論の集大成としては
    C.G.ユング、林義道訳『タイプ論』みすず書房

    タイプ論の一般解説書としては
    秋山さとこ『ユングの性格分析 』講談社現代新書


    この記事を見た人におすすめ
    ユングの言語連想検査
    星から地上の出来事を読む原理
    ユンギアンタロット
    新刊:『占星術とユング心理学』日本ユング心理学会 編
    新刊:リズ・グリーン『サターン 土星の心理占星学 新装版』

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    2010年11月26日

    ハイド、マクギネス『マンガ ユング心理学入門』

    講談社の理系新書シリーズ・ブルーバックスから
    ユングの入門書が出版されました。
    「マンガ ユング心理学入門-心のタイプ論、
    夢分析から宗教、錬金術まで」
    「マンガ」とはいってもコマ割式ではなく
    むしろ絵解き読み物といったかんじの構成。

    精神分析学自体が理系の人もしくは
    文系の心理学科でも科学志向の人からは嫌われがちで、
    特にユングは非科学的なオカルトと批判されることが多いようです。
    それがこの新書から出るのは意外な感じ。
    確かにユングは占星術やタロットなどの研究もしています。
    もっともそちらの方面に興味がある人にとっては
    ユングはオカルトと言っても、ぜんぜん批判になってないのですが。

    しかも著者のマギー・ハイドは心理占星学の研究で知られている。
    彼女の著書『ユングと占星術』は
    この分野の第一人者リズ・グリーンを批判しつつ
    心理占星学により広い視野を与えた重要な論考です。
    そのような著者によるユング入門書です。
    占星学の勉強をしている人にとって
    入りやすく有益な入門書になっているのではないかと思います。

    マンガ ユング心理学入門 (ブルーバックス)
    マンガ ユング心理学入門 (ブルーバックス)


    タグ:ユング
    posted by JEEPSTAR at 22:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | *占星術と文化史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする